PDE Inter-Universityニューズレター:第五号(2004年4月16日付)
“第十二回国際哲学オリンピアード(IPO)韓国大会--
日本代表選出に向けて日本の高校生への呼びかけ”
国際哲学オリンピアード(International Philosophy Olympiad 、略称: IPO )は、元々
1993 年にブルガリアで始まったグローバルな哲学教育運動です。時代を背おう若者たちの物の考え方を哲学的に涵養し、訓練することを目的として、参加国の高校生
( 日本の場合、 2 年生まで ) に外国語 ( 英独仏 ) による哲学エッセイ・コンテストを毎年一回 ( 通例五月 ) に実施してきました。日本は、
2001 年 5 月に、米国のフィラデルフィアで開催された第九回 IPO に初めて参加し、一昨年 5 月には、主催国として、第十回国際オリンピアード
( 会長:延原時行敬和学園大学教授 ) を東京国連大学( 150 − 8925 東京都渋谷区神宮前 5 丁目 53 ― 70
、 Tel : 03 ― 3499 ― 2811 )にて開催しました。
日本組織委員会 ( 委員長:北垣宗治敬和学園大前学長 ) は、国際哲学会連盟(
FISP )および毎日新聞社の後援、国連大学の協賛をいただき、「公正な、対話的人間社会を求めて――持続可能性、公民性、相互学習の探求」という総合テーマで大会開催。世界
16 ヶ国から 30 名の高校生代表、 22 名の引率教員・教育省等の係官、その他国連大学職員ほかの参加者は、エッセイ・コンテストに臨むと共に、イオアンナ・クチュラーディ
FISP 会長、ハンス・ファンヒンケル国連大学長、小和田恒日本国際問題研究所理事長、今道友信国際哲学センタ―所長、ジョン・B・カブ・
Jr. クレアモント大学院大学名誉教授、イングリッド・シェ―ファー:オクラホマ科学芸術大学教授ほかの講演に耳を傾け、最高の学術的=教育的雰囲気を享受しました。圧巻は、最後の表彰式。
第十回 IPO大会結果
一等賞: |
シルヴィア・クルパーノ
(イタリア) |
二等賞: |
クラウディア・クリスティーナ・セルバン
(ルーマニア) |
三等賞: |
アクセ・ペッタ―ソン
(フィンランド) |
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世界の4人の代表的哲学者(プラトン、サンタヤーナ、ヴィットゲンシュタイン、西田幾多郎)の文章から一つを選んで四時間かけて哲学エッセイを書き上げた高校生のうち3人に賞が授与されました。
IPO
運動における哲学エッセイの評価基準は、@首尾一貫性、A論証の説得力、B哲学的知識、C独創性、D出題された主題への適合性、の五点に定められています。 |
日本組織委員会は、北垣宗治(敬和学園初代学長:委員長)、カリーム・べナマル(神戸大学助教授)、遠藤弘(早稲田大学教授)、花岡永子(大阪府立大学教授)、橋本典子(青山学院女史短期大学教授)、今道友信(英知大学教授)、松井賢一(龍谷大学教授)、中西久枝(名古屋大学教授)、竹中正夫(同志社大学名誉教授)という構成です。
第十回大会組織委員会構成
昨年の第十一回IPOは、アルゼンチン国ブエノスアイレス市、文部科学省本館において、
2003 年 5 月 7 日より 10 日、「新しい地球秩序における倫理、公民性、および人権の意味の再解釈という課題について」(
”On the task of re-signifying the meaning
of ethic, citizenship and Human Rights in the new global order” )という総合テーマのもとに、開催されました。第十一回会長は、マルセロ・ロボスコ教授、副会長は、第十回会長の延原時行教授(日本)が務めました。以下役員は、プロジェクト・オフィサー:ヴァージニア・シャーゲン、国際関係コーディネーター:アントニオ・ブランコ、学術コーディネーター:エドアルト・ビアンチーニ、教育コーディネーター:アリシア・セガル、副プロジェクト・プランナー:ハーマン・アマン、
IPO チーム・アシスタント:ヴェロニカ・ファインバーグでした。日本からは中村修平君(創価高校)が延原副会長の引率で参加。
第十一回大会組織委員会構成
第十一回 IPO大会結果
一等賞: |
トルステン・ショーエンベルク
(ドイツ) |
二等賞: |
セルジオ・バルベリス
(アルゼンチン) |
三等賞: |
ガブリエル・アベロフ
(アルゼンチン) |
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18 ヶ国から
39 名の哲学オリンピアードの結果、一位:トルステン・ショーエンベルク(ドイツ)、二位:セルジオ・バルベリス(アルゼンチン)、三位:ガブリエル・アベロフ(アルゼンチン)の諸君が入賞しました。
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本年の第十二回
IPO は、韓国ソウル市 Ewha Womans University( www.ewha.ac.kr )
において、 2004 年 5 月 19 日より 22 日、「テクノピア(技術理想郷)かテクノポリ(技術独占)か:テクノロジーの新時代における人間精神の自由について」(“
Technopia or Technopoly?: On the freedom of human spirit in the
new epoch of technology” )という総合テーマのもとに、開催されます。第十二回会長は、ドンヒュン・ソン教授( Prof.
Dong-Hyun Son, Department of Philosophy, Sung Kyun Kwan University )、事務局長は、ジーアエ・リー教授( Prof.
Ji-Aeh Lee, Department of Philosophy, Ewha Womans University )が務めます。宿泊会場は、 SanNam Institute
of Management, Yonsei University ( http://sim.yonsei.ac.kr ) です。因みに、総合テーマは大会中に開催される講演、討論に生かされるもので、エッセイ・コンテストのための出題トピックスはこれとは別に各国代表によって決定されます。
第十二回大会組織委員会構成
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