キャンパス日誌

【卒業生リレーエッセイ18】~牧師夫人としてボランティアなどに取り組む山口喜恵さん~

世界へ視野をひろげた学園生活

山口喜恵

愛する家族と共に(イスラエルにて)


1991年の春、私は敬和学園大学開学の年に入学しました。先輩もいない。伝統も無い―。第1期生である私たちは自分たちの手で大学を作っていかなければなりませんでした。1年目、私は自分のやりたいことが見いだせずに悩みました。しかし、2年目からはさらに深く英語を学んで世界のことを知りたいと望むようになりました。授業内容や将来に対しても前向きになり、英語クラブを立ち上げたり、敬和祭でイベントを企画したりと、授業はもちろん課外活動にも積極的に取り組んでいきました。
ゼミでは、異文化コミュニケーション学を専攻し、私は世界に目を向け始めました。オフィス・アワーには、さまざまな先生方から海外での体験談や世界がどう変化していくかというお話を聞かせていただき、視野が広がりました。友人たちとカフェテリアで過ごした時間も忘れられない思い出です。
卒業後、私は東京の玉川聖学院で英語教師として5年務めました。間もなく牧師である夫と出会い、長い遠距離恋愛の末結婚し、夫の勤務地である米国カリフォルニアへ。そこで日系人教会の牧師夫人となり、夫を支え2児の母となりました。6年後、ヘブライ大学大学院留学を決意した夫と共に、今度は中東の国イスラエルへ。最初はただただ精一杯で何もできませんでしたが、2年目に入り、ようやく私もヘブライ語を学ぶことになりました。その翌年には、貧しいユダヤ人たちへ食料援助をするクリスチャン団体のボランティアとして働くなど充実した毎日を過ごしました。こうして、本来臆病な私が異国を渡り歩けたのも、今思えばあの大学での学びがあったからだと思います 。
昨年11月、私たち家族は帰国し、新潟市で再スタートを切りました。 大学を卒業して早16年!かつて先生方が私の世界観を広げてくださったように、私も若者たちに影響を与える者になれたらと願っています。(1994年度卒業 山口喜恵さん(旧姓: 鈴木))