キャンパス日誌

【卒業生リレーエッセイ25】~住みやすいまちづくりを応援する安田文子さん~

私の原点を形成してくれた大学

安田文子

1996年度卒業 安田文子さん


私の大学時代は、多くの友と全力で遊ぶ日々を過ごし、アルバイトでお金を貯めてはリュックひとつで海外旅行へ…と、まったく後輩に誇ることができないものでした。できの悪い学生でしたが、先生方は私に大きな学びを与えてくださいました。鮮明な記憶として残っているのは、北垣宗治初代学長が自転車で田んぼ道を通学される姿です。学長は、いつも笑顔で等しく私たちに接し、偉ぶらず、穏やかで、寛容に私たちの言葉を受け止めてくださいました。他にも、多くの先生方から異文化コミュニケーションにおける柔軟な姿勢、多様性を受け入れることの難しさと必要性など「人としてのあり方」を教えていただきました。そして、共に過ごした仲間たちとは今でも繋がっていて、大きな心の支えとなっています。
卒業後は輸入住宅メーカーでインテリアコーディネーターを務め、そこで現在勤めている会社の社長に出会い、ユニバーサルデザイン(以下UD)という考え方を知りました。「年齢、性別、国籍、個人の能力や状況に関わらず、可能な限り多くの人が利用できるデザイン」、それは、私が社会に必要な概念とおぼろげながら感じていたことでした。この出会いをご縁に、1999年の会社設立時から社員として雇っていただき、13年が経ちました。会社では公共空間をUD化する企画・提案を行ったり、福祉住環境コーディネーターという資格を得て、建築や福祉、医療関係者と連携をしながら住みよい住宅の提案などを行ったりしています。また、NPO法人まちづくり学校の運営委員として、まちを元気にしたいと取り組む人たちを応援する活動をしています。

安田文子

新潟まちあるきイベントも主催してます


私の活動の原点は、大学で学び得た「多様性を認め合い、補い合うことを楽しむ」ことなのだと、執筆しながら改めて感じました。苦労も絶えませんが、とてもやりがいのある仕事をさせていただいていることに感謝する日々です。(1996年度卒業 安田文子さん(旧姓:丸藤))