キャンパス日誌

パレスチナ問題を考える「ボランティア論・学習セミナー」を開催しました

敬和学園大学では、授業科目「ボランティア論」と「基礎演習」の合同授業として、毎年、さまざまな立場で活躍するゲストを招いて「ボランティア論・学習セミナー」を開催しています。

今年は、イスラエルとパレスチナを訪れて取材を続けているフォト・ジャーナリストの高橋美香さんをお迎えし、ドキュメンタリー映画の鑑賞や解説、講演や対談という複数のプログラムを組み合わせて開催しました。

 

このプログラムに参加した、阿部咲さん(共生社会学科1年)のレポートをご紹介します。

第1部:
ドキュメンタリー映画「5台のカメラが壊された」鑑賞
解説「パレスチナ問題」富川尚教授

解説「パレスチナ問題」富川尚教授

解説「パレスチナ問題」富川尚教授

土地を奪われる。迫害にあう。銃弾や催涙弾が飛び交う。目の前で誰かが殺される。どれも今の日本に住む私たちは経験のしようがない映像でした。このようなドキュメンタリーは何度か目にしたことがありますが、非現実的すぎていくら心を痛めても他人事のように思っていました。しかし、富川先生のお話を聞いて、パレスチナを日本に当てはめることで他人事のように感じていた非現実的な状況を自分のこととして想像ができました。
しかし、どれだけ理解を深めても結局何もしなければ他人事にすぎないと思います。私に何かできることがあるのでしょうか?きっと現地に赴くことは難しいと思いますが、現在も自国の土地を守ろうと抵抗を続けるパレスチナの人々、”We want peace!” と叫ぶ子どもたちのために自分のできることがあるか探していきたいと思いました。

何故、日本はパレスチナを国家として承認しないのか不思議でなりません。

第2部:
講演「思ったらやる~私がパレスチナに向かうわけ~」高橋美香氏
対談「自発性が生み出すもの」高橋美香氏、富川尚教授山﨑由紀准教授

講演「思ったらやる~私がパレスチナに向かうわけ~」高橋美香氏

講演「思ったらやる~私がパレスチナに向かうわけ~」高橋美香氏

ジャーナリストの重要性を再確認しました。もしこのようにパレスチナの状況を伝えてくれる存在がいなければ、パレスチナの人々の苦しい暮らしも、悲しみも痛みも知ることはなかったと考えると、ジャーナリストとしての使命を果たし、現在私たちに伝えてくださる高橋美香さんは本当に素晴らしい方だと思いました。写真ひとつひとつがどれも印象的で、パレスチナの方々の悲しみから笑顔、さまざまな面をみることができ、本当によい刺激を受けました。
「できることからはじめる」「小さいことからでも行動を起こす」高橋さんの言葉のように自らできることを模索していきたいと思います。

パレスチナの社会問題に触れることで今まで自ら目を向けることのなかった問題を深く考えるよい機会になりました。

 

対談「自発性が生み出すもの」高橋美香氏、富川尚教授、山﨑由紀准教授

対談「自発性が生み出すもの」高橋美香氏、富川尚教授、山﨑由紀准教授

阿部咲(共生社会学科1年)

(2015年7月1日 ボランティア・学習セミナーにて)

 

【高橋美香氏 プロフィール】
フォト・ジャーナリスト、広島県出身。
中東から届くニュースの真実が知りたいという強い思いからアラビア語を学び、2000年に初めてパレスチナを訪れる。そのとき、「占領というのは、軍事的な目に見えやすいものだけではないこと、(中略)、もっと巧妙な、目に見えにくい、システムとしての占領状態が存在するのだということ」を思い知らされたという。パレスチナの家庭に居候して日常を撮影し、日本各地でスライドトークや写真展を開催しながら、その「差別と抑圧と人々の尊厳の問題」を伝えている。また、東日本大震災時に岩手県宮古市でボランティア活動をしながら、そこに暮らす人々と関わることと同時に撮影を続けている。
著書: 『パレスチナ~そこにある日常』(未来社,2011)、『ボクラ(Bokra)・明日、パレスチナで』(ビーナイス,2015)

「」はIWJブログより引用 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156060

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