チャペルのひびき

真の積極的平和

前期最後のCAHでした。チャペル・アワーにおいては、山田耕太学長が聖書の告知する「平和」とはいかなるものか、またその現代的意義について教えてくださいました。ノルウェーのヨハン・ガルトゥングの思想を引き合いに出しながら、真の平和とは、ただ戦いがない状態を指すのではなく、不当に貶められたり、不利益を被ったりする人のいない状態、すなわちすべての人の人権が守られてある状態のことを指すこと。そのような状態こそが、昨今、盛んに用いられているのとは異なる意味において「積極的平和」と呼ばれるべきものであり、聖書の教える「平和」(シャローム)の精神をもっともよく体現するものであることを先生はお示しくださいました。敬和に集うものとして、そのような「平和を作り出すもの」となりたく思います。チャペル・アワーのあとは、「キリスト教音楽」の受講生たちが、「KEIWA Choir」として一学期の学びの成果を見事な合唱をもって発表してくださいました。心が洗われるひと時でした。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「二つの平和論」 学長 山田耕太 先生
20150724チャペル・アッセンブリ・アワー2

公演 キリスト教音楽の受講者によるコーラス KEIWA Choir 
20150724チャペル・アッセンブリ・アワー3
20150724チャペル・アッセンブリ・アワー4

〈参加学生の感想〉
感想1)平和と言っても消極的平和と積極的平和があり、今の日本の形は積極的平和と言っておきながら実は消極的平和であるのではないかと山田先生はおっしゃっていました。私の知識ではそこまで深く考えられませんが、平和というのが自分たちの思っている平和だけではないことを知って視野を広げることができました。また、キリスト教音楽受講者によるコーラスでは、音楽を通じて、キリスト教をより深く知ることができました。歌詞に耳を傾けて聞いてみるととてもよい歌詞だなと感じ、感動しました。歌声もきれいでその2つが重なったので癒され、かつ勉強になる充実した時間でした。
感想2)過去にあれだけ悲惨な戦争や空襲があったにもかかわらず、なぜ今の日本は戦争へと歩みを進めているのか?とても疑問に思います。戦争をしても得られるものは何もなく、むしろ失うものしかないのになぜ法案が可決されてしまったのか?今の政治家たちももっと国民の声に耳を傾けるべきだと思います。過去の戦争で亡くなった人、一生消えない傷を負いながら生きている方たちがいることを忘れず、もう2度と戦争と言う悲惨なことが行われないように願いながら、また私たちにできることがあれば積極的に声を上げていきたいと思いました。