チャペルのひびき

自分が思い描く以上の人生

敬和学園高校の宗教主任・山口和憲先生がルカ福音書のザアカイの物語を説き明かしてくださいました。ローマ帝国の徴税人であったために、同胞のユダヤ人から嫌われていたザアカイでしたが、イエスというかたの噂を聞きつけ、イエスを一目見ようと街道に繰り出しました。けれども、驚いたことに、そこで彼は思いがけぬ発見をするのです。それは、イエスを見る以前に、既に自分がイエスにより見出され、イエスの計画の中に置かれていたということでありました。ザアカイは、イエスとの出会いを通して、他者を発見するとともに、本当の自分をも見出してゆくことになるのでした(発見の連鎖)。イエスのとの出会いにより始まる人生は、自分が思い描く以上の人生であるとの山口先生の言葉が心に残りました。アッセンブリ・アワーにおいては、佐渡教会牧師であるとともに、佐渡市議会議員の働きもなさっておられる荒井真理先生より、先生が深い関わりをもたれてこられたバングラデシュの聾学校について教えていただきました。荒井先生もまた、神さまの不思議な導き(ご計画)によって、バングラデシュの人々のもとに導かれたかた。神さまは時に思いもよらぬ人生を用意しておられること、その神さまの導きによる他者に仕える人生は、私たちが自分で思い描く人生よりも遥かに豊かなものであることを、先生の歩みとお働きを通して、またスライド上で示されたバングラデシュの子どもたちの笑顔を通して、豊かに示されたひと時でした。私たち一人ひとりもまた、神さまの眼差しと計画の中に置かれていることを覚えたいと思います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「発見の連鎖」 敬和学園高等学校 教諭 山口和憲 先生
20170526チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「バングラデシュの聾話教育活動」 日本基督教団佐渡教会牧師、ワールド・コンサーン・バングラデシュ聾話教育コンサルタント 荒井眞理 先生
20170526チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 山口先生のお話を聞いて、ザアカイがイエスに見つけられ、さまざまなことを発見して、自分のための人生から他者のために生きる人生に変わったように、自分は今までに他者と出会って変わってきたことを思い出し、あらためてこれからの人生について考えてみようと思いました。また、これからも他者と出会って考え方などが変わっていくのだろうかと思いました。
感想2) 荒井先生からバングラデシュのお話を聞きました。バングラデシュでは名前のない病気や障がいを持っている人がたくさんいることを知り、驚きました。栄養が頭に入っていないと知的障害になってしまうと聞いて、恐ろしいなと感じました。聾学校では補聴器で歌を聴かせるのを見て、歌が子供たちの障がいを救っていると思いうれしくなりました。いろんな障がいを負っている子供たちがいるけど、それぞれ両親ががんばって産んだ大切な命。見てくれが悪いとか、障がいがあるとか、そんなものは前々関係なく、みんなが愛されるべきだと思います。
感想3) 荒井先生のお話を聞いて、支援ボランティアはただ助けるだけではなく、その後の人々の暮らしを考えて、その手段を整えていくことが大切だと感じた。自分は今まで支援というと物資を送り、設備を整えるだけだと思っていましたが、支援の後もその国の人々の生活は続くのだから、それを継続させて次世代までの教養を根付かせていくことの重要性と、自分が今当たり前のように教育を受けることができることへのありがたさを改めて感じました。