チャペルのひびき

すべてのいのちを尊ぶこと

チャペル・アワーでは、藤野豊先生が「すべてのいのちが尊ばれる世を!~なぜ、私は優生保護法問題に取り組むのか~」とのタイトルのもとでお話しくださいました。その中においてご自身の活動を通して深い絆を結ぶこととなったハンセン病患者の方々のこと、またその方々が国に対して訴訟を起こしていることの真意についてご紹介くださりました。その方々が、ご自身の人生に関しては(あまたの苦難と試練を味わわれてこられたにもかかわらず)満ち足りているとの思いを抱きつつも、敢て訴訟を起こされているのは、ひとえに「生きることをゆるされなかった」命ゆえであるとのこと。国家や社会の進歩発展のためには生産性のない命は選別淘汰されるべきとの「優生思想」が国策の柱に据えられたことの歴史は忘れてはならないでしょう。またそのような思想や考えが無意識のうちに私たち一人ひとりの内に忍び込んでこないとも限らないでしょう。そうであればこそ、聖書の教えに立ち返ることの必要性を感じます。聖書は、すべての命(人生)は神により創られ愛されているがゆえに尊い命(人生)であり、必要とされない命(人生)などひとつもないことを教えています。主イエス・キリストがこの世にお生まれになられたのも、そのことを私たち一人ひとりに伝えるためでした。引き続くアッセンブリ・アワーでは、「お笑い芸人集団ナマラエンターテイメント」の代表取締役、江口歩さんが、ご自身の破天荒な歩みについて、また障がいをもった方々との楽しくも有意義な取り組みについてご紹介くださりながら、若人たちに向けての熱き思いを語ってくださいました。アニキのような語り口で語られたそのメッセージは本学の多くの若者たちのこころに届いたことでしょう。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「すべてのいのちが尊ばれる世を!~なぜ、私は優生保護法問題に取り組むのか~」 教授 藤野豊 先生
20181207チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「君に届け~若者たちへのメッセージ~」 ナマラエンターテイメント代表取締役 江口歩 先生 
20181207チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 藤野先生から命の尊さ、重さについてお話を聞いた。鹿児島で出会った2人の大切な女性。ハンセン病だからとの理由で好きな人と結婚はできても子どもはつくれない、産んでも育てることは許されないという話は胸が痛くなりました。国は少子高齢化対策を訴えているのにもかかわらず、なぜこんなに醜いことを普通にやってしまうのだろうと疑問に思っていると、藤野先生は「国は命を労働力と思っている点がある。だから労働力にならない子供を必要としていない。そのためにこのようなことが起きてしまう。」と自分の意見を取り入れながら力説されました。ハンセン病だけでなく障がい者も同じように言われる現実を目の当たりにして、私もそういった方々の力になりたいと思いました。
感想2) 藤野先生のお話。ハンセン病だからという理由で産まれた子どもの命を奪い、子どもをつくる権利すら奪われる。明確な理由があるわけではなくそんなことになってしまう。今、人の価値観が変わっていく中で、みんなが命を大事にする考えを持っていけるようになればよいと思いました。
感想3) 江口先生のお話はおもしろく心が惹きつけられました。ご自分の体験談をコミカルに私たちに届けてくださり、世の中はさまざまな価値観で溢れている事を物語る貴重なお話でした。何気ない日常の瞬間の一つひとつに感謝することが自分自身を大切にすることにつながると教えていただきました。自分を大切にし、自分らしく生きることを心掛けてみようと思いました。
感想4) 江口先生のお話はとてもおもしろく、それと同時に心にくるものがありました。自分のしたいことをする。それはとても大切なことなんだなと思いました。自由の大切さも感じました。そして、自分を愛することをした方がよいのだと思いました。自分を愛し、自分のしたいことをしていく人生を歩めるように心がけていきたいです。