チャペルのひびき

分かち合うことの喜び

チャペル・アワーは、本学共生社会学科の学科長、趙先生のメッセージをお聞きする機会を与えられました。趙先生によれば、現代社会全般のライフスタイルが「所有からシェア(分かち合い)」という方向にシフトしつつあるということです。余分なものを自分の周りにため込み、結局は、それらを無駄にしてしまうのではなく、与えられたもの(恵み)を、必要とする人々と分かち合う生き方への転換は、社会にとっても歓迎すべきこと。それはまた、聖書においてイエス・キリストを通して教えられていることでもあることを、趙先生は、お話しくださいました。
引き続くアッセンブリ・アワーでは、「フードバンクしばた」の副代表であられる、土田雅穂先生が、ご自身の取り組んでおられる尊いお働きについて、ご紹介くださいました。土田先生のお働きは、貧困状態に陥ってしまった人々、とりわけ、シングルファミリーに、市民の方々の協力を得ながら、食料をお届けすることです。日ごとの糧を得ることにも苦しんでいる人々が、私たちの身近なところにもいること、また、そのような貧困は私たちにとっても、他人ごとではないということ(いつ私たちが陥るかもしれないという意味においても)、また、そのような人々は私たちにとっては他人ではなく、寄り添い支え、恵みを分かち合うべき(シェアすべき)隣人であることを、土田先生のお話を通して知らされました。紹介されたビデオの中の、食料を届けられた方々の、また「子ども食堂」の子どもたちの笑顔に、分かち合うことを通して与えられる喜びの大きさを覚え、進むべき道の方向性を見出した若人たちも少なくないはずです。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「所有からシェアへ」 教授 趙晤衍 先生
20190719チャペル・アセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「子どもたちに明るい未来を」 フードバンクしばた副代表 土田雅穂 先生
20190719チャペル・アセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 趙先生のお話の中で、資源の活用とインターネットを結びつけているところがおもしろいと思った。資源やお金がたくさんあれば幸せという考えになりがちだけど、実際は「資源をどう使いこなすか?どうシェアするか?」が分かっていないと意味がないことが趙先生のお話を通して分かりました。
感想2) 趙先生のお話を通して「シェアリング エコノミー(共有社会)」について考えました。今の時代は何でもシェアすることが多くなっていると思います。「相手に与えれば、自分に返ってくる」ということわざにもあるように昔から考えられていることのようです。
感想3) 趙先生の「所有とシェア」についての例えを交えたお話を聞いて、財産ついて考えました。人間には元来富を自分の元に留めておきたいという意識があるのでしょうか。しかし、宝くじのお話にあったように、一攫千金の財を得た人はかえって不幸になるような統計もあるようですし、手元に置いておくだけや自分本位で使うのはいずれその身を滅ぼすのではないかと考えさせられました。
感想4) 土田先生のお話を通して、本当は支援が必要だけど手を挙げられない家庭にも、少しずつ支援の輪が広がっているので、周りの人たちが気づくかどうかが大きな問題だと分かった。フードバンクだけではなく、貧困家庭の子どもたちに着なくなった制服や使わなくなったランドセルをシェアする活動もとても素晴らしいと感じました。
感想5) 新発田市内だけでもたくさんの家庭が支援を受けているという土田先生のお話を聞いて、もっとこのフードバンクの活動がいろいろな市で実施されるといいなと思います。土田先生が始めた活動がたくさんの人たちに広がり、たくさんの農家の人たちが協力してくれていることが素晴らしいと思いました。一つひとつの家庭に合わせて支援の内容を変えているのもすごいと感じました。