チャペルのひびき

敬和学園大学のルーツ

遠隔配信の形で前期最後のチャペル・アッセンブリ・アワーの時を持ちました。アッセンブリ・アワーにおいては、「神を敬い、人に仕える」とのタイトルのもと、山田耕太学長先生の出演したビデオ番組が配信されました。その中で、学長先生は、150年もの昔に、スコットランドから新潟の地にやって来て、医療伝道に献身的に携わったセオドア・パーム宣教師についてお話しくださいました。あつき信仰の持ち主であったパームはその滞在の間に多くの弟子を育て、その弟子たちが新潟の地に教会を建て、新潟女学校や北越学館における教育活動の担い手となっていったことを知ることがゆるされました。その後、さまざまな理由から新潟のキリスト教主義の学校は閉じられてゆき、その状態が長きにわたって続きます。けれどもパームによって灯されたその志の灯は消えいることはなかった。戦後になって、パームのまいた種は、その弟子たちの建てた教会の人々の祈りのもと、敬和学園大学の建学として結実していったのでした。「報いを望まで人に与えよ、こは主のかしこきみ旨ならずや、水の上に落ちて流れ種も、いずこの岸にか生いたつものを」との讃美歌の歌詞が思わず、心に浮かんできました。本学のルーツにパーム先生のような志を持った多くの尊い生涯があったことを教えていただき、まことに幸いでした。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「優しさを不可能とするものとたたかうために」 宗教部長 下田尾治郎 先生
20200807チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「神を敬い、人に仕える」 学長 山田耕太 先生
20200807チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 今日の下田尾先生のお話を聞いて、誰もが同じであって、常に神の恵みを受けていると思ってほしいというお言葉がありました。今、いじめの問題やクラス内でのカースト制度など差別や偏見が多くありますが全員が一緒で、「普通」という人間の基準はないのだということを強く感じました。障害があるから、人との意見が違うからということで差別してはいけないということを再確認しました。
感想2) 私は今回のチャペル・アッセンブリ・アワーの中で聞いたパウロの「あなた方はキリストの体である」という言葉について、これは当時のコリントの教会だけではなく、近現代や現在のこの状況にも強く求められているということに対し、本当にそのとおりだと思いました。講演の中で、戦時中など、人は弱っている時に限って優しさを失い、優生思想に基づいた行動をとりたがるとありましたが、私はこの考えは間違っていると思いました。なぜなら、このような状況だからこそ助け合って前に進むことが最善なのに、お互いに滅ぼしあっているようでは何一つ手に入れられていないため、かえって非効率なのではないかと感じたためです。これからも過酷な状況が続く中で、今私たちができることとして最も求められることは、決して攻撃的にならず、冷静に助け合うことだということを私は今回の講演で再確認できました。
感想3) YouTubeの動画を見て、体育館の名前がパーム館だということを初めて知りました。普段体育館を利用する際に入り口のところにある写真が気になっていたので、新潟に関連深い宣教師だということが分かり興味が湧きました。スコットランド人の困難に果敢に向かう精神でたくさんのことに挑む精神に尊敬の意をおぼえました。宣教師による布教として医療と布教をセットにするという発想がとても賢いと思いました。パームの無念の思いを知ることができ、新潟をもっと盛んな都市にしたいと思いました。いままでのチャペル・アッセンブリ・アワーやキリスト教学を学んで、私はキリスト教信仰者優遇ではなく、人々をみんな平等に救うところがすてきだなと今日改めて感じました。キリスト教や母国人だけに縛られず、たくさんの人を平等に救うパームのような活動をしていきたいと思いました。
感想4) 今回のチャペル・アッセンブリ・アワーでは、敬和学園大学の土台になることについて学ぶことができたと思います。敬和学園大学の体育館の名称であるパーム館、不思議な名前であると思っていましたが、スコットランドから新潟に来た最初の宣教師の名前だということが分かりました。パームはキリスト教を布教しに日本に来たという話ですが、妻も子供もなくなり、キリスト教に不信を抱く人も多い中、医療伝道を取り組んだという事実はとても大変な活動だったのだと思います。他の人からの協力もあったと思いますが、新潟でのキリスト教の土台を作ったのはパームの尽力が大きいと思います。このことを知ることができてよかったと思いました。