学長室だより

2003年1月10日号

新年おめでとう。学生諸君にとって、今年が飛躍の年となることを祈ります。私たちは普通、毎日同じような事を繰り返しながら、一歩一歩進んでいくのですが、そうしているうちに、ある日突然、別の次元に入る経験をすることがあります。それが飛躍です。ゲーテの『ファウスト』の中に「人間は、努力する限り過ちを犯すものだ」というセリフがあります。ひたすら過ちを犯すことを恐れて努力することを怠るならば、人間としての成長は望めません。人間としての成長段階において飛躍が起こるのは、生物学から比喩を借りて言えば、さなぎが蝶に変身する瞬間です。別の比喩では脱皮の瞬間ということもできるでしょう。古い衣服をかなぐり捨てて、新しい衣服を着る、という比喩の方が好きな人がいるかもしれません。いずれにしても、新年がよいのは旧年を葬ったからです。2002年のカレンダーはもはや役に立ちません。さあ、飛躍をめざして、歩み始めて下さい。(北垣 宗治)