学長室だより

2005年6月10日号

ワシントン市はほぼ半世紀ぶりであった。ポトマック川の向こう側の墓地にケネディ元大統領の墓ができたことをのぞけば、市の全体はそう変わったところはない、という感じであった。
一日の自由時間は、懐かしいペンシルヴァニア通りを南から国会議事堂に向かって歩いた。だいぶ行ったところで、右側に古い郵便局の建物を見た。その前に立つのが、ああそうだ、 B. フランクリンの銅像!その像を下から支えている石の台座に、(これも懐かしいことに!)「印刷業者」「博愛主義者」「愛国者」「哲学者」と、この順で彫りつけてあった。古き良きアメリカが求めた理想的人間像であった。
キャピタルの背後に回って、フォルジャー・シェイクスピア図書館へ出た。ここはわが母校付属の資料館で、留学中は来られなかった所であった。それは、しかし、この日は閉まっていた。安息日であった。(新井 明)