学長室だより

2005年7月15日号

7月8日のチャペル・アセンブリ・アワーは「花には水を」というタイトルで、市川幸子(こうこ)さんのことを語った。「私たちが罪びとであったとき、キリストが私たちのために死んで、私たちへの愛を示してくださった」(ロマ書5.8)というパウロのことばに触れて、信徒となった。26歳。その後、ブラジルに移り、知的障害者福祉施設「希望の家」を設立。はじめは一人の障害者の世話から始めた。2001年にガンで没す。「墓は建てるな。骨は“希望の家”の庭に蒔き、水をかけてくれればいい」というのが遺言であった。やく400人が集まり、“Sensei,Acorda!”(先生、起きて!)と叫んだという。
わたしが壇に立つまえに、山﨑ハコネ先生がからし種の枝をくださった。からし種の実は小さいが、やがて大きくなる(マタイ13.31-32)。その枝を演台に見て、山﨑先生のお顔が市川さんと重なった。(新井 明)