木を育てるように(2代目学長 新井明)

2005年9月2日号[2005-09-02]

秋になると、和歌山県の山からミカンの箱がとどく。毎年、中に手紙がはいっている。「ミカンは呼吸していますので、いちど全部箱から出して、新鮮な空気にふれさせ、長旅の疲れをほぐしてやってください。」このミカン農家では化学肥料、除草剤、殺虫剤は、ほとんど使わない。ワックスがけもしないので、皮が光ってはいない。そのかわり、その皮までサラダ、マーマレードとして食卓に上げ、また入浴剤等に使っていい。安全なのだ。
こういうミカンを作るのに、一番いいのは、ミカンが根を張る畑に地力(ちりょく)をつけてやることだという。畑に(化学肥料ではなく)魚粉を入れている。地力をつけた土地は、殺虫剤もほとんど要らないのだという。
このことは、現今の高等教育の現場にも、大事なことを示唆しているのではないか。教育の畑を「自由高等教育」(リベラル・アーツ)の自然肥料によって地力をつけて、そこに育つ自然の果実をもって、社会の健全性を増進させる。教育に妙な付加価値を求めることはない。(新井 明)

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