学長室だより

2007年2月16日号

昨秋のこと、女子学生2人(一年次生)が学長室に入ってきて、「先生、すこしお話してもいいですか」ということであった。どうぞ、と答えると、授業のこと、友人たちのこと、先生がたのこと等などを、なにか特別の質問があるわけではなく、おしゃべりをしていた。「先生、いつかかくれんぼしましょう」とも誘いかけた。カーペットの上にじかに座り込んでの語りであった。現今、ジベタリアンとよぶのだそうだ。
1月19日の「チャペル・アセンブリ・アワー」の最後で、今年度の講話で学んだことを記すエッセイのなかで優れた数作を表彰した。10月6日の大谷貴子さんの話「白血病を克服して」に感銘した学生が、「生きたくても生きられない人の分も精一杯に生きること」、それが「生きる意味」だ、と熱っぽく書いていた。そのIさんに学長賞を授与した。かの女は、なんとあのときのジベタリアンのひとりであった。(新井 明)