学長室だより

2007年6月15日号

ヘンリ・D・ソローの『森の生活』(1854)の話を新発田で聞くことができた。前学長の北垣宗治さんが今年度の敬和学園大学オープン・カレッジのトップ・バッターとして、生涯学習センターの壇上に上がってくださったのだ。①簡素な生活をせよ、②自然を友とせよ、③自己の欲する生き方をせよ、④この世の不正義に対して“ノー!”と言える勇気を持て。ソローのメッセージのもつ現代的な清新さを、北垣先生は熱く説かれた。わたし自身がウォールデン池のほとりの、あの小屋を訪ねたのは、もう半世紀も前のことだ。人っ子一人いないわびしい小屋であった。今は全く異なる観光スポットとなっていることであろう。文明が自然を汚すことのないように祈るのみ。
それをゆるせば、人類そのものが滅亡するのであるから。(新井 明)