学長室だより

地域に根差して歩むことの豊かさ

20180427チャペル・アッセンブリ・アワー1

 

大学の構内は4月の始めから今に至るまで、ソメイヨシノ・寒緋桜・しだれ桜・八重桜が次々と満開になって100本の桜シンフォニーが奏でられてきました。今はハナミズキとハナモモが満開です。本学では2003年に新井明学長が就任した時から毎年ゴールデンウィークのころに、チャペル・アッセンブリ・アワーで、植樹式をしています。新入生が時計台の下でユリノキを植えて、4年間の間に木の成長を見ながら、自分の成長を振り返るためです。毎年初夏のころには大きなユリのような白い花が咲きます。

敬和学園大学の土地は、以前は田んぼでしたが、更地に木を植えてきて、30年近く経つと遠くから見るとこんもりとした林となってきました。大学の構内に植えられた木々の成長を見ると、一人ひとりの学生や卒業生の成長ばかりでなく、大学の成長をも感じさせられます。木々は四季が巡りくるたびに、大自然の恵みの中で光を浴びて成長し、風雪に耐えて年輪を刻んでいきます。私たちも木々のように真っ直ぐに上を向いて、自分に与えられた課題にひたむきに向かっていきたいものです。

大学の4年間で日本語や外国語を磨いてコミュニケーション力を高め、歴史や文学や思想や社会に関する知識により、人間らしい人間として生きるための価値観の座標軸を身につけていきましょう。そのためには人類が紡いで伝えてきた知恵の言葉を、蜂が蜜を集めるように、心の内に蓄えていきましょう。今から3千年近く前のイスラエルの王で詩人であったダビデは次のように詩で歌います。「主の教えを愛し、その教えを昼も夜も口ずさむ人、その人は流れのほとりに植えられた木。時が来ると実を結び、葉もしおれることがない。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。」(詩編1:2-3)大自然の創造者を讃えて、今日も生かされている恵みに感謝して、アッシジのフランシスの「被造物の賛歌」を祈りましょう。
   
   いと高く、全能の、善なる主よ
   あなたこそ、賛美、栄光、誉れ、すべての祝福はあなたのもの
   いと高き方、あなたこそこれらを受けるにふさわしい方
   あなたの名前を呼ぶのに誰一人として値しない
   
   讃えよ、主よ、あらゆる被造物とともに、とりわけ我が兄弟である太陽こそ 
   我らに日を与え、あなたは光を与えたもう、美しく燦々と輝いて
   いと高き主よ、太陽はあなたのしるしを我らにもたらす   
   讃えよ、主よ、姉妹である月と星のゆえに
   あなたはそれらを天で明るく高貴に麗しく造りたもう
   讃えよ、主よ、兄弟である風と大気と雲のゆえに
   それらにより被造物は命を繋ぐ
   讃えよ、主よ、姉妹である水のゆえに
   いとも役立ち、いとも賢く、高貴にして純粋
   讃えよ、主よ、兄弟である火のゆえに
   夜を照らす火は、 美しく陽気、不屈にして強い
   讃えよ、主よ、我らの母なる姉妹である大地のゆえに
   大地は我らを支え、育み、もろもろの果実を生む、多彩な花々、草々とともに
  
   讃えよ、主よ、あなたの愛のゆえに赦す人々
   病と試みを耐える人々のゆえに
   幸いなるかな、平安の中で耐える人々は
   彼らはいと高きあなたによって冠を戴く
   讃えよ、主よ、我らの姉妹である死のゆえに
   生ける人は誰一人として逃れられぬ
   災いなるかな、大罪を犯して死ぬ人々は
   幸いなるかな、あなたの最も清い御心を行なう人々は
   第二の死は彼らに何の害も与えない
   我が主を讃えよ、祝福せよ
   感謝をささげ、主に仕えよ
   大いなる謙遜の心をもって    (山田 耕太)