木を育てるように(2代目学長 新井明)

2003年11月21日号[2003-11-21]

ふだんキャンパス内の芝生や樹木の世話をしたり、校内の壊れた個所を直したり、清掃をしたり、車の運転をしたりしてくれる職員たちがいる。教育の場にあっては、いわば裏方を引き受けてくれる人びとである。裏方は、しかし、学生たちの目に、いちばんつきやすい所で働いている人びとである。その点が、他の職場の裏方とは違うところであり、案外青年たちはこの人びとの姿から、教室で学ぶ以外の多くのことを学ぶことがあるのではないか。
10月12日の日曜日に、新潟マラソンがあった。新聞でその様子を知ってはいた。その二、三日あとのことだ。例の裏方のひとりが、「先生!」と話しかけてきた。マラソン、やってきました、と言うのだ。堂後くんの写真を胸にして、走ってきましたよ、と。この名の学生は今年9月14日に網代浜で、海に足をとられて命を絶った青年だ。「生きていれば、いっしょに走ることになっていたんです。」こうなると、この職員は、はたして「裏方」なのか。教員のできないことをやってくれているではないか。(新井 明)

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