学長室だより

2005年6月17日号

新発田に赴任する覚悟を決めたころのこと、もう2年いじょう昔のことである。地図をたよりに、なれない町筋を歩いていて市立図書館の前に出た。正面玄関の左手の石版に、次のような文字が刻み込まれていた。
「此処に御越の方は “探求して下さい/真実の光/栄光の道/人々のために働こうとする意思” (原文英語)昭和九年十一月 坪川かん平」
坪川氏は新発田出身の実業家で、住友銀行兵庫支店に勤務のころ、明治30年に、洗礼を受けたという。昭和4年に氏の寄付によって、新発田町立図書館が開館した。昭和33年(1958年)の氏の葬儀は、キリスト教式で、この図書館で執り行なわれたという。
敬和学園大学に着任の直前に、この石碑に出会ったことは、力となった。(新井 明)