学長室だより

2006年6月9日号

教育基本法改正問題をめぐって、5月31日に第2回目の大学教育会議を開いた。教職員合同の会議である。学内には教育基本法をめぐる諸問題の検討を、一年以上をかけて重ねてきた小委員会(委員長 山田耕太教授)があるわけだが、今回はその一員である矢嶋直規助教授による報告が中心となった。現行の教育基本法の精神は守られるべきであり、「敬和の教育」は「人権」「平和」「共生」の三点に絞った教育であるべきである、と語られた。
「敬和」とは神を「敬(うやま)い、人と和す」のこころである。これは現代の若者には少しむつかしい文言なので、わたしは「神に仕え、人に仕える」と言い換えて語っている。「神を敬う」精神といい、「神に仕える」精神といい、同一のことを言っている。われわれは世に阿(おもね)らず、ときに世を警(いまし)めつつ歩む。それこそが敬和のたどるべき道である。(新井 明)