学長室だより

2007年8月31日号

山本豪平さんが満百歳になられたというので、そのお誕生日の7月21日(土)に信濃川を見下ろす新潟市内のホテルでお祝いの催しがあった。120人をこえる(著名人をも交えた)方かたが集まった。
わたしは「キリスト教関係者」としてのスピーチを求められた。そのことを知ってご心配くださったのであろう、もと十日町教会の牧師・松井愛美(よしみ)先生が、その前日の夕刻、お電話をくださって、「山本直次郎と信仰の継承者たち」なるご文章のコピーをファックスでお送りくださった。おかげで、豪平さんの精神面のことが、よく分かった。父・直次郎氏が日露戦争のあとの不況期に倒産したとき、大阪の浪花教会で入信した。一家もそれに従った。教会で学んだ個の確立、愛の実践、社会的公正などのエートスが、その後の企業運営の基盤となり、十日町「山庄」を成功させた。「祈れ、そして働け」ora et labora が人生の基礎であることを、山本さんの生涯は教えてくださった、と語った。(新井 明)