学長室だより

2008年12月5日号

ことしの敬和学園の高・大合同クリスマス研修会は、三重県の愛農学園農業高等学校の前校長・志賀親則氏をお招きして行われた。「建学の精神における人間教育。」酪農学園大学を終えた先生は、愛農学園の設立者・小谷純一に半強制的に招かれて、その後の43年を愛農が丘に生きた。熱きキリスト信徒である農業教育者・小谷の唱える建学の精神は「農業者である前に人間たれ!」であった。(1)聖書の学びをとおして、真の人間観を身につける。(2)全寮教育をもって、生涯の友に出会う。(3)農業教育をとおして、いのちへの尊崇の念を培う。神は人を「土のちり」から創造された。 その神を愛し、人を愛し、土を愛すること、これ以外に人として学ぶべきことがあろうか。全寮制であるから、若者がなにか問題をおこせば、隠しようがない。しかし、そのときこそが、「教育のチャンス」である、と語る志賀先生の姿には、幾多の困難を乗り越えて、人の心を耕してこられた教育者の姿があった。(新井 明)