誰かのために生きる(3代目学長 鈴木佳秀)

ルツとナオミ・その9[2010-02-12]

大麦と小麦の刈り入れが終わるまで、ルツはボアズの畑で落ち穂を拾うことができたのです(ルツ記2章23節)。古代メソポタミアの法には、落ち穂拾いに関する条項がありません。収穫時に他人の穀物畑に立ち入ると、ぼう大な罰金を課せられ、夜間の場合は死罪とされています(エシュヌンナ法典第12条)。
彼らには、刈り入れをする際に麦をひと株刈り残し、穀物の神ダゴンに捧げる風習がありました。我が国でも稲穂をひと株だけ田に残し、次の年の豊作を祈願する風習が一部に残っています。
全く異なる思想が旧約聖書にあることはよく知られています。申命記23章26節では、隣人の麦畑に入り、手で穂を摘んで食べても良いが、鎌を入れてはいけないと定めているからです。レビ記19章9節、23章22節、申命記24章19節によると、穀物を刈り入れるとき、畑の隅々まで刈り尽くしてはいけないと勧めています。落ち穂を拾い集めてはならない、それらは貧しい者(孤児や寡婦)や寄留者のために残しておきなさいというのです(昨年9月4日の学長室だより)。落ち穂拾いを貧しい人々のために認めているのが、旧約聖書の世界であったと言えます。ルツの場合は、それに当てはまるのです。(鈴木 佳秀)

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