学長室だより

ルツとナオミ・その29

「ボアズはこうしてルツをめとったので、ルツはボアズの妻となり、ボアズは彼女のところに入った。主が身ごもらせたので、ルツは男の子を産んだ」と聖書は伝えています(ルツ記4章13節)。ナオミとルツのもとに出向いて、ボアズがどのように結果を伝えたかについて聖書は何も語っていません。その喜びに満ちた報告を、ナオミとルツはどのように聞いたでしょうか。ルツが祝福に与ったことは、「主が身ごもらせた」という言葉に象徴されています。レヴィラート婚を完結させたこの出来事は、ボアズとルツの愛の共同作業によりますが、ナオミの篤い祈りがあったことを記しておきたいと思います。
全能者はわたしをひどいめに遭わせたと語ったナオミに、町の女たちは「主をたたえよ。主はあなたを見捨てることなく、家を絶やさぬ責任のある人を今日お与えくださいました。どうか、イスラエルでその子の名があげられますように。その子はあなたの魂を生き返らせる者となり、老後の支えとなるでしょう。あなたを愛する嫁、七人の息子にもまさるあの嫁がその子を産んだのですから」と告げています(14節~15節)。
ナオミを慕っていたルツと、彼女を受けいれたナオミの愛を、神は用いられたのです。(鈴木 佳秀)