ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・プロローグその15[2010-10-22]

シロの聖所は祭儀的な威信を失いましたが、サムエルはエリ一族に代わりイスラエル諸部族のため、主なる神に執り成しをする責任を担うようになったのです。主なる神に立ち帰ろうとした民にサムエルは「あなたたちが心を尽くして主に立ち帰るというなら、あなたたちの中から異教の神々やアシュトレトを取り除き、心を正しく主に向け、ただ主のみに仕えなさい。そうすれば、主はあなたたちをペリシテ人の手から救い出してくださる」と語っています(サムエル記上7章3節)。
聖所の儀礼で神の加護を願うことから、預言者に神の言葉を求める形態に転換していく過程が示されています。時代が変わろうとしていました。当時のイスラエル諸部族はヤハウェ神のみに仕えていたわけではなく、バアル神とその妻である豊穣多産の女神アシュトレトにもすがっていました。箱が奪われた事件を教訓に、生活防衛のため神を利用するのでなく、真心をもって神に仕えることをサムエルは求めています。ですが民は敵であるペリシテ軍に征服されるのを恐れ、預言者サムエルに神の言葉を求めるのでなく、祭司として儀礼を行なってもらうことで、軍事的に救われることを彼らは期待したのです(5節~12節)。(鈴木 佳秀)

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