ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・サウルの活躍その9[2010-12-24]

サウルを公的に認知させるため、サムエルは部族ごと、氏族ごと、家族ごとに並ばせくじを引かせます。その結果、サウルがくじで選び出されたというのです。荷物の間に隠れていた彼が連れてこられ、民の真ん中に立つと誰よりも肩から上の分だけ背が高かったと聖書は伝えています(サムエル記上10章23節)。「見るがいい、主が選ばれたこの人を。民のうちで彼に及ぶ者はいない」と宣言しています(24節)が、サムエルは神の選びをこのような形で示したことになります。民は喜んで「王様万歳」と叫びますが、これですべてが決着したわけではありません。
神に心を動かされた勇士たちはサウルに従いますが、「こんな男が我々を救えるか」と言い放ち彼を侮る者もいたからです(25節、27節)。軍事的英雄を待望した民は指名された人を王にと願ったのですが、それだけでサウルが王になれるのではありません。油を注がれた者には神の資質であるカリスマが恩寵として下るはずです。くじだけで民の心を捉えることはできません。サウルは、英雄であるカリスマを民の前に立証しなければならないのです。宗教社会学者M・ヴェーバーは、このカリスマによる支配をひとつの類型として識別しています。(鈴木 佳秀)

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