ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その9[2012-06-08]

「主はダビデに、その行く先々で勝利を与えられた」(サムエル記下8章6節)とあるように、ダビデは次々に周囲の敵対国を討ち退け、軍事的成果をあげたことは明らかです。勝利した後、「ダビデ王はこれらの品々を、征服したすべての異邦の民から得た銀や金と共に主のために聖別した。それは、アラム、モアブ、アンモン人、ペリシテ人、アマレクから得たもの、ツォバの王、レホブの子ハダドエゼルからの戦利品などであった」(11節~12節)とするのは、単に敵対国を征服したという戦果を記すものではありません。「聖別した」という言葉が示すように、彼の戦いは聖戦つまり神々の戦いであったからです。聖戦を、自分たちの戦いを神の名において正当化し、正義の戦いとみなすというのは、古代社会の戦争についての誤解です。国家が関与しない戦闘、守護神が関与しない戦争は、掠奪目的の戦いでしかありません。国家間の戦いが当事国の守護神の戦いになるため、「聖戦」にならざるを得なかったのです。神々の主権をかけた戦いの勝利は、守護神の勝利であるため、戦利品はすべて神に奉納する慣わしでした。それが聖別することの意味です。神からの賜物として聖別しないまま、戦利品を着服し報賞として分配することは、神の資産を盗むことで死罪でした。それは呪いを招くこととして恐れられていたのです。(鈴木 佳秀)

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