ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その10[2012-06-15]

「ダビデは王として全イスラエルを支配し、……裁きと恵みの業を行った。ツェルヤの子ヨアブは軍の司令官。アヒルドの子ヨシャファトは補佐官。アヒトブの子ツァドクとアビアタルの子アヒメレクは共に祭司。セラヤは書記官。ヨヤダの子ベナヤはクレタ人とペレティ人の監督官。ダビデの息子たちは祭司となった」(サムエル記下8章15節~18節)とあるのは、王国の高官たちのリストです。
「裁きと恵みの業と」は公正と正義のことで、王の責務が簡潔にまとめられています。イスラエルが国家を戴いた時に社会組織に劇的な変化が生まれました。サウル時代の召集軍は存続していますが、ヨアブがその司令官です。他方ベナヤは外人傭兵部隊の司令官で、敵であったペリシテの軍人たちが今ではダビデに雇われているのです。ツァドクは都市エルサレムの守護神に仕える祭司階級の長。アヒメレクはノブにいたヤハウェ祭司で、サウルの虐殺にあった祭司の生き残りです。宗教的なバランスを取った人事です。息子たちを祭司に任じていますが、彼らを国内の拠点となっている聖所に配置したのです。補佐官や書記官は宮廷のスポークスマンであり、参謀長官の役割を担っていました。
このリストはエルサレムの貴族階級の出現を示し、イスラエル諸部族が政治や軍の主力から排除され、次第に非軍事化されるプロセスを表しています。(鈴木 佳秀)

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