ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その17[2012-08-03]

ヨアブは使者に命じ「戦いの一部始終を王に報告し終えたとき、もし王が怒って、『なぜそんなに町に接近して戦ったのか。城壁の上から射かけてくると分かっていたはずだ。……なぜそんなに城壁に接近したのだ』と言われたなら、『王の僕(しもべ)ヘト人ウリヤも死にました』と言うがよい」とサムエル記は伝えています(下11章19節〜21節)。書状を受け取っていた将軍ヨアブは、多くの犠牲を出した戦闘について報告する際、ウリヤも死んだと伝えることで責任を回避しようとしたのです。ヨアブの思惑通り、ウリヤの戦死も報告した使者に対し、ダビデは「『そのことを悪かったとみなす必要はない。剣があればだれかが餌食になる。奮戦して町を滅ぼせ。』そう言って彼を励ませ」と応じています(25節)。戦死したウリヤへのいたわりよりも、不倫をもみ消した安堵感がにじみでています。
「ウリヤの妻は夫ウリヤが死んだと聞くと、夫のために嘆いた」とテキストは語っています(26節)。王命によって彼女が寝所に引き入れられたのは明らかです。何も知らずに戦死したウリヤを悼んだのは、妻のバト・シェバでした。しかし「喪が明けると、ダビデは人をやって彼女を王宮に引き取り、妻にした。彼女は男の子を産んだ。ダビデのしたことは主の御心に適わなかった」(27節)と、事件のその後を伝えています。(鈴木 佳秀)

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