ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その21[2012-08-31]

預言者が王を叱責する形で神の言葉を告知し得たのは、ダビデが主なる神を畏れる人であったことも事実ですが、古代イスラエル社会で預言者が担っていた宗教的役割が、広く人々に受け容れられていたからです。ナタンを遣わした神が、都市エルサレムの守護神であったなら、王は神から統治を委託された者として、臣下の言葉を退けるだけの権力を持っていました。その意味で、バビロン第一王朝のハンムラピと同じく民の上に君臨できたはずです。ダビデが帰依していた神ヤハウェは出エジプトの神であり、エジプトの賦役国家のもとで苦しんでいたイスラエルの民を、その奴隷状態から解放し、救い出した歴史の神であり、モーセを介して民との間に契約を結んだ神でした(申命記29章13節~14節)。ナタンの言葉は、契約を犯し、神を侮ったという告発だったのです。
ナタンは王に向かって「主はこう言われる。『見よ、わたしはあなたの家の者の中からあなたに対して悪を働く者を起こそう。あなたの目の前で妻たちを取り上げ、あなたの隣人に与える。彼はこの太陽の下であなたの妻たちと床を共にするであろう。あなたは隠れて行ったが、わたしはこれを全イスラエルの前で、太陽の下で行う』(サムエル記下12章11節~12節)と通告しています。これは、ダビデ家の中から王に反逆する者が出るという処罰の預言です。(鈴木 佳秀)

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