ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その31[2012-11-08]

「アムノンは彼女の言うことを聞こうとせず、力ずくで辱め、彼女と床を共にした。そして、アムノンは激しい憎しみを彼女に覚えた。その憎しみは、彼女を愛したその愛よりも激しかった。アムノンは彼女に言った。『立て。出て行け。』タマルは言った。『いいえ、わたしを追い出すのは、今なさったことよりも大きな悪です。』だがアムノンは聞き入れようともせず、自分に仕える従者を呼び、『この女をここから追い出せ。追い出したら戸に錠をおろせ』と命じた。」(サムエル記下13章14節〜17節)
アムノンの恋煩いは、彼をやつれさせるほどのものだったのですが、タマルを力ずくで辱め、屈辱を与える仕方で彼女を追い出したのです。恋心がどうして激しい憎しみに変わったのでしょうか。タマルを力ずくで辱めたときに彼の欲望は満たされたのでしょうが、その瞬間にどれほど危険なことを犯したのかを悟ったのかもしれません。タマルに憎しみをぶつけ、すべては彼女が原因であったかのように追い出したのです。保身のためです。その追い出し方は、病気見舞いにきた王女としての扱いではなく、まして妹としての扱いではありません。従者に命じ彼女を部屋から追放し、戸に錠をおろす行為は、盗賊を追い払うやり方と同じです。だまし討ちにした上に、王女としての尊厳をタマルから奪う屈辱を与えてしまったのです。(鈴木 佳秀)

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