ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その43[2013-02-08]

ヨアブはアブサロムを連れ戻すことに成功しましたが、「だが王は言った、『自分の家に向かわせよ。わたしの前に出てはならない。』アブサロムは自分の家に向かい、王の前には出なかった」(サムエル記下14章24節)とあるように、ダビデ王は甘い顔をしてアブサロムを迎えたのではありません。血の復讐が行われないよう恩赦を与えたのですが、暗殺の事実までもぬぐい去ることはできません。王の前に出るということは、完全な復帰、すなわちダビデ王位継承史の候補(皇太子)として復帰することを意味します。この時点で、アブサロムはその筆頭に立ちえたのですが、王はそれをそのまま認めなかったのです。父親としての威厳、あるいは国王としての威厳を保たなければならないからです。側近も、アブサロムとすぐに和解することを上申しなかったのでしょう。アムノンの親族への配慮もあったものと思われます。
「イスラエルの中でアブサロムほど、その美しさをたたえられた男はなかった。足の裏から頭のてっぺんまで、非のうちどころがなかった」(25節)という叙述は旧約聖書では例外的なものです。かつて「彼には名をサウルという息子があった。美しい若者で、彼の美しさに及ぶ者はイスラエルにはだれもいなかった。民のだれよりも肩から上の分だけ背が高かった」(上9章2節)というサウルと、アブサロムの例しかありません。(鈴木 佳秀)

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