ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その49[2013-03-22]

「王の家臣たちは言った。『主君、王よ、僕(しもべ)たちはすべて御判断のとおりにいたします。』こうして王は出発し、王宮の者が皆、その後に従った。王は王宮を守らせるために十人の側女を残した。」(サムエル記下15章15節〜16節)アブサロムが即位式を挙行した後でダビデに従うことは、アブサロムを王と認めないことを意味しますから、謀反となります。錦の御旗を掲げた方が正規軍で、敵対勢力は賊軍という汚名を着ることになります。即位式を挙行し神の名において油を注がれ王となったことで、勅命を発するのはアブサロムになったからです。油を注ぐ儀式は単なる形式ではありません。サウルが王のとき、ダビデも神ヤハウェの名において油を注がれた経験があるからです。
ダビデはエルサレムを脱出する決断を下します。ろう城して息子と戦う道を選ばなかったのです。エルサレムは堅固な城塞ですが、住民がダビデを王として守るという保証はありません。アブサロム派が城門を開ければ大軍が流れ込んできます。忠誠を誓った部下だけがダビデに従ったのですが、ダビデは自分の側女十名をなぜ王宮に残したのでしょうか。アブサロムは息子です。彼女たちに手にかけることはないと考えたのでしょうか。彼女たちとその家臣団がいなければ、宮廷は掠奪されたことでしょう。再び王宮に戻ってくるつもりで側女たちを残したのでしょうか。気持ちの揺れを表すものなのですが、それは父親としての弱さなのです。(鈴木 佳秀)

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