ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その69[2013-08-09]

「『それなら、お前に期待はしない』とヨアブは言った。アブサロムは樫の木にひっかかったまま、まだ生きていた。ヨアブは棒を三本手に取り、アブサロムの心臓に突き刺した。ヨアブの武器を持つ従卒十人が取り囲んでアブサロムを打ち、とどめを刺した。ヨアブは角笛を吹いて兵士を引き止めたので、彼らはイスラエル軍の追跡をやめて戻って来た。彼らはアブサロムを降ろし、森の中の大穴に投げ込み、その上に石を積み上げて非常に大きな塚を作った。イスラエルの全軍はそれぞれの天幕に逃げ帰った。」(サムエル記下18章14節〜17節)
このテキストは、ヨアブがダビデの命令を無視した事実を冷ややかに伝えています。アブサロムを見つけた兵に、なぜ打ち落とさなかったのかと言い、銀十枚と革帯一本を与えただろうと語ったヨアブです。若者アブサロムを守れという命令を守ろうとした兵の言葉を、彼は退けたのです。ヨアブはアブサロムが宮廷に復帰できるよう取りはからった人物でした(下14章)。しかしアブネルを弟の仇として暗殺したのもヨアブでした(下3章30節)。これもダビデ王の気持ちを無視した行為でした。アブネルに哀悼の歌を捧げ、ダビデは彼を手厚く葬っています。二人の間に微妙な空気が生まれていたのです。それを解消させるためアブサロムを使ったのですが、そのアブサロムがアムノンを殺害し、ダビデ軍は城を明け渡し、逃亡するはめになったのです。王位を簒奪したアブサロムに容赦のない剣を向けたヨアブの決断を、ダビデは父としてどう受けとめたでしょうか。(鈴木 佳秀)

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