ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その81[2013-11-01]

シェバは、彼のもとに集まった兵士たちと北方の町アベルに立てこもって、ろう城戦に出たのです。ヨアブの軍隊はアベルを包囲し、町の城壁と同じ高さの塁を築き、城壁を崩す作戦に出ます。そこに知恵のあるひとりの女性が登場し、町から呼ばわってヨアブに伝えたいことがあると訴えたのです。「ヨアブが近寄ると女は言った。…『はしための言葉を聞いてください。』『聞こう』とヨアブが答えると、女は言った。『……わたしはイスラエルの中で平和を望む忠実な者の一人です。あなたはイスラエルの母なる町を滅ぼそうとしておられます。何故、あなたは主の嗣業を呑み尽くそうとなさるのですか。』ヨアブは答えた。『決してそのようなことはない。呑み尽くしたり、滅ぼしたりすることなど考えてもいない。そうではない。エフライム山地の出身で、名をビクリの子シェバという者がダビデ王に向かって手を上げたのだ。その男一人を渡してくれれば、この町から引き揚げよう。』女はヨアブに言った。『その男の首を城壁の上からあなたのもとへ投げ落とします。』」(サムエル記下20章17節〜21節)
昔から「アベルで尋ねよ」と言えば、事は片付いたとこの女性は語っています(18節)。彼女はヨアブと直接交渉することを申し出たのです。取引は過激な内容ですが、ろう城戦の場合、町全体が敵とみなされ、住民までも犠牲となるのが普通でした。シェバのために危険にさらされた住民の命を、彼女は知恵をもって救おうとしたのです。(鈴木 佳秀)

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