ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その85[2013-11-29]

「ハギトの子アドニヤは思い上がって、『わたしが王になる』と言い、戦車と馬と五十人の護衛兵をそろえた。彼は父から、『なぜこのようなことをしたのか』ととがめられたことが、一度もなかった。彼の体格もまた堂々としており、アブサロムの次に生まれた子であった。」(列王記上1章5節〜6節)
叙事詩はアドニヤについてこのように伝えていますが、ダビデ王の生涯の中で、ナタン預言が思いがけない形で成就していく経緯を語っています。「ハギトの子」と呼ばれた彼は、「アブサロムの次に生まれた子」と紹介されています。王に反逆し即位式を強行したアブサロムとは異母兄弟です。アムノンを殺害したアブサロム、そしてそのアブサロムの死は、ダビデ王にとって耐え難い事件であったはずです。二人の王子を失い精神的に老け込んでしまったのでしょうか。アドニヤについて、「彼は父から、『なぜこのようなことをしたのか』ととがめられたことが一度もなかった」と伝えられているからです。王位継承の必要を王が忘れるはずはありません。
アドニヤについて、「戦車と馬と五十人の護衛兵をそろえた」とこの叙事詩は記しています。これはアブサロムの場合と同じです。ダビデの息子たちの間で、継承をめぐる序列が存在したはずです。アブサロムのすぐ下の弟ですから、アドニヤが筆頭の皇太子と考えるのが自然ですが、「思い上がって、『わたしが王になる』」という発言を叙事詩は伝えています。この発言の背景に、王位継承の密約があったことが浮かんできます。(鈴木 佳秀)

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