ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その88[2013-12-20]

「ナタンはソロモンの母バト・シェバに言った。『お聞きになってはいませんか。我らの主君、ダビデの知らないうちに、ハギトの子アドニヤが王となったということを。あなたの命とあなたの子ソロモンの命が助かるように、わたしの言うことをすぐさま実行しなさい。直ちにダビデ王のもとに行って、こう言いなさい。「わが主君、王よ、はしためにお誓いになったではありませんか。あなたの子ソロモンがわたしの跡を継いで王となり、わたしの王座につくと。なぜ、アドニヤが王となったのでしょうか。」あなたが王と話し合っている間に、わたしも続いて入り、あなたの言葉を確認します。』」(列王記上1章11節〜14節)
王位継承の密約がここで明らかにされています。ナタンがこの事実を知っていたのですから、宮廷内に噂が広まらないはずはありません。アブサロムがことを急いだのも、アドニヤが「わたしが王になる」と発言したのも、この密約があったためと考えられます。バト・シェバを動かし、ソロモンを王にする方策をナタンは考えたのです。彼女に語るべき言葉をも与えています。「なぜ、アドニヤが王となったのでしょうか」という言葉がダビデ王に誓いを思い出させ、バト・シェバとソロモンの命を救うことになるというのです。「あなたが王と話し合っている間に、わたしも続いて入り、あなたの言葉を確認します」と発言しているのは、王とバト・シェバの間での会話では公的な意味を持ちません。ナタンが入ることで、ダビデ王の指示が公的な、勅命という意義を帯びるからです。(鈴木 佳秀)

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