ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その96[2014-02-28]

ダビデはソロモンに遺言を語っていますが、王としての身の処し方だけでなく、国家の安泰を考えた言葉を残しているのです。「またあなたは、ツェルヤの子ヨアブがわたしにしたことを知っている。彼がイスラエルの二人の将軍、ネルの子アブネルとイエテルの子アマサにしたことである。ヨアブは彼らを殺し、平和なときに戦いの血を流し、腰の帯と足の靴に戦いの血をつけた。それゆえ、あなたは知恵に従って行動し、彼が白髪をたくわえて安らかに陰府に下ることをゆるしてはならない。……ギレアド人バルジライの息子たちには慈しみ深くし、あなたの食卓に連なる者とせよ。彼らは、わたしがあなたの兄アブサロムを避けて逃げたとき、助けてくれたからである。」(列王記上2章5節〜7節)
ダビデ王位継承史の末尾で、死後のことについてソロモンに委ねているのが分かります。ヨアブがアドニヤに与してソロモンの即位に反対の姿勢をとったことは周知のことですが、「知恵に従って行動」することを勧めた上で、「彼が白髪をたくわえて安らかに陰府に下ることをゆるしてはならない」と語っています。「平和なときに戦いの血を流し、腰の帯と足の靴に戦いの血をつけた」というのです。ダビデ王の意向を無視する形で、将軍の地位を保持するため私的な暗殺を繰り返したからです。戦争と平和の時を識別しているのが分かります。戦争は私的な闘争でなく、神にうかがいを立てて戦う聖戦であったため、無益な流血は控え、先ず相手に降伏を勧告するルールがあったほどです(申命記20章)。旧敵であっても恩義のある者には慈しみを施したのです。平和の時に血を流すことは、殺人でした。(鈴木 佳秀)

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