学長室だより

使える機能はごく僅か

パソコンなしには何もできない生活に、どっぷりはまっています。こうした生活習慣があるので、スマホにはまることを今は慎重に避けているのです。これまでパソコンの新機種が出ると、その新しい機能や宣伝文句に好奇心をそそられ、それがどんなものかを知りたくなり、無理して購入することもありました。でもその新しい機能を、どれだけ利用し尽くしているかは疑問です。同じことは、パソコンで使えるソフトについても言えます。年賀状を作成するソフトなどは、定期的に毎年のようにヴァージョンアップされるのです。その都度、まるで騙されているかのように購入しては、たいしたことはない新機能に落胆してきました。ですから、ある時から無駄遣いをやめたほどです。一番困るのは海外製のソフトです。長くマック対応のものを使ってきました。マックのシステムが次第に斬新なものに変わっていくのはいいのですが、新しいシステムでは、それまで使えていたソフトが使えなくなるという弊害が出始めました。そうなると、自宅の思い出の博物館に残っている古いマックを使うしか道がない、ということも生じています。古いマックを捨てなくて良かったと思うこともあるのですが、どうにも割り切れない気持ちが残ります。消費者としては、メーカーに振り回され搾取されているような気持ちになります。グラフィックデザインをするような高度な技術を駆使する仕事でもないので、パワーポイントや、ワープロ、エクセル機能が使えればそれでいいのだ、と自分に言い聞かせています。
最近は、しきりに原点に戻ることを考えさせられます。若い頃使っていた万年筆をもう一度買い直したのは、そうした気持ちがあったからです。手書きの論文原稿は書きませんが、ワープロでは味わえない手書きの署名を大事にしています。(鈴木 佳秀)