学長室だより

安全保障関連法案に反対する学者の会

大学の近くにある聖籠町の果樹園では、巨峰・紅瑞宝・紅富士・マスカット・シャインマスカット・ロザリオビアンコ・ロザリオロッソなどの大粒のぶどうの実が豊かに実り、ぶどう狩りが始まり収穫の秋となりました。
自然の豊かな営みとは裏腹に、憲法違反の可能性が極めて高い安全保障関連法案が参議院でも審議を打ち切り、強行採決によって強引に議論を決着させました。安全保障関連法案の本質が「戦争する軍隊をもつ、普通の国への歩み」であることを見抜いた市民たちが、今国会では慎重に審議し、また廃案にすることを求めました。だが、政府は約8割の国民の声を無視しました。現在の衆参両院の国会議員が選ばれる際に、安全保障政策についての議論がなかったにも関わらずです。「民の声は神の声」という民主主義の原理を踏みにじりました。沖縄の基地問題も同じです。
6月中旬に上野千鶴子、内田樹、佐藤学らを発起人として、「安全保障関連法案に反対する学者の会」が立ち上がりました。その後、9月18日現在で学者14,120人、市民30,957人が「学者の会」のアピールに賛同しています。また、本学も含めて150近い大学(781大学中)の有志の会が独自のアピールをしつつ、「学者の会」のアピールに賛同しています。
教育基本法改定時に反対の声を挙げた大学が、国際基督教大学、東京女子大学、恵泉女学園大学と本学の4大学にすぎなかったことに比べると大変な数に増えています。若者たちがここで目覚めて、自らの問題として考え、自らの手法で反対の声を挙げて行動している姿を見るのは救いです。そのリーダーたちがキリスト教高校・大学で育っていることは希望です。(山田 耕太)