神を敬い、人に仕える(4代目学長 山田耕太)

太田俊雄のユニークな教育思想(6)[2017-09-22]

コオロギの鳴き声がしきりにさえわたる秋の夜となりました。
前回までは、太田俊雄のキリスト教教育思想として、ブッシュネルやミラーの「キリスト教養育論」と小原國芳の「全人教育論」などがあり、それらは「岡山黌」の教育を通して、岡山藩の陽明学の「心の教育」に「接ぎ木」されていることを示唆しました。また、父母の金光教の「生き神」信仰と労働が人間を創るという労働観にキリスト教信仰が「接ぎ木」されていることを示唆しました。

しかし、太田俊雄の生涯の決定的な転換点は、何といっても岡山黌で英語教師であった柴田俊太郎との出会いでした。また、英語教師となるために法政大学夜間部で学ぶために上京した時に、柴田俊太郎の助言により、東京・牛込矢来町の福音教会(現在の日本基督教団エパタ教会)の門をたたき、そこで出会ったロイス・クレーマー宣教師から受けた影響です。

太田俊雄の思想の形成にとって、ダルマに目を入れる存在であるクレーマー宣教師はどのような人で、何をした人なのか、いろいろ探しても長い間不明でした。何も手掛かりがないとあきらめかけていた時に、偶然に私と同じようにクレーマー宣教師のことを知ろうと調べ、その結果を一冊の本に書き上げたご夫妻がいることを知り、早速インターネットで古本屋から取り寄せて読みました。

2016.9.23学長ブログ

依田直也・依田和子著『愛は決して滅びない:アメリカ人女性ロイス・クレーマーをめぐる人びと』

 

クレーマー宣教師は、日本の幼稚園教育にも聾教育にも重要な人で、しかも戦時中も敵性外国人として日本に残った経験は涙なしには読めませんでした。クレーマー宣教師が幼稚園教育から軸足を移して日本聾話学校が軌道にのってきたころに太田俊雄が出会ったことになります。詳しくは「太田俊雄とロイス・クレーマー」(『人文社会科学研究所年報』No.15, 2017年)をご覧ください。また、昨年9月23日の「学長室だより」もご覧ください。(山田 耕太)

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