学長室だより

グッド・フライデー(聖金曜日)

今週はキリスト教の暦では、「受難週」という特別な週にあたります。イエスが十字架で苦難を受ける最期の一週間にあたります。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四福音書の最後には、イエスの最期を描いた受難物語と復活物語が描かれています。

本学の大会議室には、日本を代表するキリスト教画家の田中忠雄画伯が描いた「十字架を背負うイエスに恐れ惑う弟子たち」という絵が飾られています。イエスが十字架上の死を覚悟しているのに対して、弟子たちはそのことに無理解で、イエスを裏切っていく人間の疑い深さと弱さというコントラストを劇的に描いています。

2018.3.30学長ブログ

大学の大会議室に飾ってある田中忠雄画伯の絵

 

今日はグッド・フライデー(聖金曜日)、すなわちイエスがユダに裏切られ、ペトロに否認された末に、死刑判決を受けて十字架刑で苦難の死を迎えた日です。それは人類の罪の身代わりの死という意味があったのです。その三日後の日曜の朝に、死者の中から復活したと信じることからキリスト教が始まっていきました。

復活祭(イースター)は、ユダヤ教・イスラーム教と同じ太陰暦に基づいているので、太陽暦では毎年移動する移動祝日です。毎年春分の日の次の満月に一番近い日曜日と定められています。今年は4月1日になります。キリスト教の十字架と復活のメッセージを簡単に分かりやすく伝えているのは、シラーの詩に基づいてベートーヴェンが作曲した第九交響曲の第4楽章「歓喜の歌」の中心的なメッセージ「苦難を通して、歓喜に至れ」です。(山田 耕太)