学長室だより

朋あり遠方より来たる また楽しからずや

図書館脇の小さな林の中では、ムクゲの木に大きな白い花がたくさん咲いています。連日各地で気温が40度近くまで上がり、まるで日本が温帯ではなく、亜熱帯の国になったかのような錯覚を起こさせます。

先々週の火曜には東京築地から築地居留地研究会の方々が学長室に来られて、今から150年前の開港5港と開市2市の居留地とそこに開設された学校のことに花を咲かせたことは先週のブログで少し述べさせていただきました。先週の17日火曜に今度は桜美林大学リベラルアーツ学部の芳沢光雄先生が東京からお見えになって、学長室でリベラルアーツ教育について歓談しました。

2018.7.27学長ブログ

築地居留置研究会の皆さんが学長室に来室されました

 

芳沢光雄先生は、数学者として慶応義塾大学・城西大学・東京理科大学を経て、現在は桜美林大学リベラルアーツ学部で教えておられます。数学と数学教育に関する本は50冊ぐらい出されたそうです。このたび、岩波ジュニア新書で『リベラルアーツの学び:理系的思考のすすめ』という本を4月に出したばかりで、その第1章「リベラルアーツの語源とリベラルアーツ教育」で本学の紀要に掲載されたネット上の私の拙い論文を参考にしてお書きになり、お聞きしたいことがあるということで、草深いこの地までご足労していただきました。

芳沢先生と歓談の結果、リベラルアーツの思想の根本は、ギリシアのソフィストたち自身の思考から理解しなければならない点、AI時代のリベラルアーツ教育として読解力がもてはやされていますが、そうではなく作文力が基本である点、この2点に到達するまでの楽しいひと時を持ちました。(山田 耕太)