ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデの台頭史その19[2011-07-01]

「サウルの娘ミカルはダビデを愛していた」(サムエル記上18章20節)という言及は、ダビデ物語の中で特別な意義を帯びています。当時このような恋愛は起こりえませんでした。娘が自由に戸外に出て青年と出会うチャンスなどありません。自由な恋愛結婚は不可能でした。結婚は親が決める慣わしだったからです。
ミカルはどこでダビデを見初めたのでしょうか。ダビデの評判は高く彼はすべての人に愛されていましたから、サウルの宮廷内でも噂になっていたと考えられます。サウル王の前に仕えるようになったそのダビデを、遠くから目にとめたと思われます。娘が素顔を他人に見せることはありません。公の席に出ることもまれでした。離れた場所から、ヴェール越しに、噂のダビデをじっと見ていたのでしょう。彼女のひそやかな恋はやがて母親から家臣団に伝わり、王の耳に届いたと考えられます。
ダビデ物語は、彼の軍人としての活躍や、王との軋轢、ヨナタンとの友情に焦点があるようですが、ダビデに恋をしたミカルの存在がひときわ輝いています。彼女の恋は実を結び、ミカルはダビデの妻になります。しかしその幸せな日々は長く続きませんでした。父親がダビデ殺害を命じたからです。(鈴木 佳秀)

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