ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その57[2013-05-17]

「アヒトフェルはアブサロムに言った。『一万二千の兵をわたしに選ばせてください。今夜のうちに出発してダビデを追跡します。疲れて力を失っているところを急襲すれば、彼は恐れ、彼に従っている兵士も全員逃げ出すでしょう。わたしは王一人を討ち取ります。兵士全員をあなたのもとに連れ戻します。あなたのねらっておられる人のもとに、かつてすべての者が帰ったように。そうすれば、民全体が平和になります。』」(サムエル記下17章1節~3節)とあり、時を移さずにダビデ軍を追跡し、ヨルダン河を渡って向こう側に逃げる前に討ち取るように、彼は提言したのです。
アヒトフェルはアブサロム側に寝返った軍師でしたから、ダビデを討ち取らなければ、負けると謀反を起こした張本人として処刑されてしまいます。ですからアヒトフェルは、王であったダビデその人を討ち取るため追跡させてくれ、と求めたのです。エルサレムから逃げたダビデ軍は、中央山地を降ってヨルダン河に数百メートルも下りていく形になるので、追跡軍はその後ろから攻撃を仕掛けることになり、戦略的には圧倒的に有利な戦いができるのです。アヒトフェルの戦略は理に適っていたのです。かつてのダビデ軍のように、ほとんど無傷で帰還できると自信を持って提言したのですが、「わたしは王一人を討ち取ります」というアヒトフェルの言葉を、息子であるアブサロムはどのような気持ちで聞いたのでしょうか。(鈴木 佳秀)

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