ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その58[2013-05-24]

アヒトフェルの提言は、長老全員の目には正しいものと映ったようです(サムエル記下17章1節〜4節)。しかし「アブサロムは、『アルキ人フシャイも呼べ。彼の言うことも聞いてみよう』と言い、フシャイがアブサロムのもとに呼び出された。アブサロムは言った。『これこれのことをアヒトフェルは提言したが、そうすべきだと思うか。反対なら、お前も提言してみよ。』」(5節〜6節)とあるように、彼は別の軍師の提言を求めたのです。同じ提言なのか確かめるためであったかもしれませんが、迷いがあったのです。
「わたしは王一人を討ち取ります」というアヒトフェルの言葉に、アブサロムの心が揺れたのかもしれません。妹タマルが受けた陵辱に対する報復としてアムノンを殺害したのですが、父とアムノンを羊の毛を刈る祭りに招こうとしました(下13章24節〜26節)。アムノンを殺害するためでしたが、父も殺すつもりだったのでしょうか。即位式のためヘブロンに向かったのは(15章7節〜9節)、父を廃位させるためでした。息子が父を殺害するために事件を起こしたのであれば、提言に従いアブサロムは迷わず軍を動かしたはずです。王位に就いたアブサロムは、正義を実現しなかった王に責任を取らせるという意味で報復を達成したはずです。「王一人を討ち取る」ことに彼がこだわったのかについて、聖書は何も語りませんが、フシャイの意見を求めるところにアブサロムの迷いが出ていると思われます。(鈴木 佳秀)

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