ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その82[2013-11-08]

「女は知恵を用いてすべての民のもとに行き、ビクリの子シェバの首を切り落とさせ、ヨアブに向けてそれを投げ落とした。ヨアブは角笛を吹き鳴らし、兵はこの町からそれぞれの天幕に散って行った。ヨアブはエルサレムの王のもとへ戻った。」(サムエル記下20章22節)
シェバは、部下である兵士たちを引き連れていきなりこの町を占拠したのです。町の住民は抵抗できなかったのでしょう。それは客人法を犯した不法行為です。強盗に町を乗っ取られたようなものですが、ろう城戦が始まると、住民はヨアブの軍隊から敵とみなされます。住民の感情を無視したシェバのやり方に、武力で服従させられた多くの人が反感を抱いたことは確かだと思われます。知恵ある女がどのような論法で町の指導者たちを説いてまわったのかは、分かりません。聖書は何も語りませんが、シェバと、彼に服従した部下たちを引き離すことに成功したと考えられます。野心家のシェバさえ討ち取れば、部下たちは烏合の衆だと彼女は見抜いていたのかもしれません。町の人々はシェバを打ち倒し、彼らはその首を城壁からヨアブに向かって投げ落としたからです。女性が手を下したのではありません。しかしアベルの町を剣から救うことに、彼女は成功したのです。
シェバに従っていた兵士たちは、自分たちの野望が潰えたことを知り、町の人々に武力で抵抗するまでもなく逃げ去っています。断固とした平和への思いが、戦いを回避させたのです。(鈴木 佳秀)

ページトップ

メールを送る

このサイトについて | 個人情報について | ソーシャルメディア・ポリシー | 採用情報 | 教職員ポータル