ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その86[2013-12-06]

「アドニヤはツェルヤの子ヨアブと祭司アビアタルに話をもちかけ、この二人の支持を得た。しかし、祭司ツァドク、ヨヤダの子ベナヤ、預言者ナタン、シムイ、レイ、およびダビデの勇士たちはアドニヤにくみしなかった。」(列王記上1章7節〜8節)
ヨアブは、ユダ部族の王となったとき以来のダビデの側近で(サムエル記下2章)、危機の時代から共に戦ってきた軍人です。ダビデが全イスラエルの王に上りつめる際に、常に王の側にいて、ライバルたちを蹴落とし、軍事の最高責任者の地位を確保したダビデの身内です。アドニヤはヤハウェ祭司アビアタルの支持も得たのです。サウルに追われていた時代にダビデを助けたノブの祭司アヒメレクの息子で、彼はサウルに惨殺された一族の唯一の生き残りでした(サムエル記上22章11節〜23節)。王の側近中の側近と言うべき二人を味方に付けたのです。他方、祭司ツァドクはエルサレムの祭司階級を代表する地位にあり、ダビデがエルサレムに入場する前から聖所を司ってきた指導者で、エルサレム派の頭目でした。ベナヤは近衛兵である傭兵部隊を指揮する将軍で、彼もエルサレムを拠点に勢力を伸ばしてきた人物です。ナタンは、バト・シェバ事件の処理において鍵を握っていた宮廷預言者。アブサロムに追われて逃げる際に王を呪ったシムイは、王がエルサレムに帰還する時に恩赦を与えられますが、ヨアブの弟アビシャイに殺されそうになった宮廷人です(サムエル記下19章19節〜24節)。宮廷内の対立がこの派閥に現れていることは明らかです。(鈴木 佳秀)

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