学長室だより
満開の桜のもとで新学期がはじまりました
4月5日に新発田市民文化会館で入学式を挙行し、143名の新入・編入学生を迎えました。今年は新学期に合わせて桜がちょうど見ごろを迎え、新しい門出を祝ってくれているようです。加治川の流れと桜並木と残雪を頂いた二王子岳とが清新な空気を醸し出し、この地で学べることの恵みに感謝が増します。入学式では二階堂馨新発田市長が御祝辞の中で、「学ぶとは変わること」とお話しされました。敬和学園大学での4年間の学びや友だちとの出会い、たくさんの経験を通して、今よりも寛容な人に、今よりも深く考えらえる人に、今よりも知識や能力を持ちそれを生かせる人に、今よりも豊かな感性と想像力を持った人に、今よりも積極的で主体的に動ける人になど、おのおのさまざまな願いと可能性を秘めていることと思います。一人ひとりの成長を祈ります。
3月28日に天に召された北垣宗治初代学長は、1991年の第一回入学式で第一期生に向かって「敬和が私をつくった、私が敬和をつくった」という人間になれと諭されたと聞きます。草創期の本学では、まさに皆がゼロから敬和を大学に創り上げていきました。北垣先生はその先陣を切って、学長としてのお務めだけでなく、公開講座や広報誌「敬和カレッジレポート」の企画、学生の留学の引率まで、獅子奮迅の働きをなさいました。新島襄の絶筆となった手紙の一通が新発田で伝道していた原忠美宛であったということで、同志社大学の教授職を辞して新発田に来てくださったのです。私が1991年後期から非常勤講師で敬和にお世話になった時、北垣先生が教えておられたジョン・アップダイクの小説の途中から、それも恋愛模様の佳境に入るシーンから引き継ぐことになり、北垣先生は何年か後までも恐縮しておられました。学生の皆さんには、北垣先生の教養豊かな授業から、経験も教養も浅い教員へのバトンタッチで申し訳ないことでしたが、私は北垣先生と敬和に育てていただいたという感謝の思いに溢れます。また北垣先生は、「大学は面白いところ」とよく話しておられました。北垣先生のようなユーモアとバイタリティを忘れずに、「大学は面白いところ」と皆さんに思ってもらえるよう、そして人間味のあるおもしろい人を育てられるよう、学生、教職員、地域の皆さんと共に敬和の青年期を創っていきたいと願っています。(金山 愛子)