図書館だより
敬和学園大学 図書館だより(2005年12月号)
図書館のコンピュータ20台全数更新
~印刷メディアと電子メディアの融合を目指して~ (図書館長 安藤司文)
図書館の20台のコンピュータを最新のものに更新した。今年8月はじめから学生が利用できるようになった。OS はWINDOWS XP。マルチドライブとした。CD-ROMやDVDを見るだけでなく、持参するディスクに保存できる。スピードも早く、インターネットにも快適にアクセスできるようになった。このように印刷メディアだけでなくどんどん電子メディアも図書館に取り入れたい。
インターネット上には厖大な情報が溢れている。誰でも簡単にアクセスできる。特に顕著なのはコンピュータ上で動画やテレビが簡単に見られるようになったことであろう。コンピュータとテレビが融合したというよりもコンピュータがテレビを飲み込んでしまった。
このような事情を考えると、印刷メディアが中心であった大学図書館のあり方も変えざるを得なくなる。本も最近では、本の表の表紙と裏の表紙にCD-ROMが付録としてついているものが増えてきている。特に、コンピュータ関係の雑誌にはほぼ毎月CDがついている。語学関係の本にもそのような傾向がみられる。教科書もいずれ、著者の授業風景がDVDに収録され、それが添付されるようになるのは時間の問題であろう。自宅で授業を見ながら勉強できるようになると、独学が容易になる。
勉強の仕方で、高校と大学で異なる大きな点は”教えてもらう”のではなく、”自分で勉強する”ことであろう。むろん、小学校、中学校、高校でも自分で勉強し、自分で考えることは学習の本質的なことであるが、大学として、基本的な教育システムとして、明確にそのような方向性を打ち出すべきであろう。自ら喜んで勉強するためには、これはと思うテーマを掴むことである。それさえできれば、自分の持ち時間をフルに使って、猛勉強するようになると思う。学生は土曜日、日曜日は自分の時間である。さらに、正月休み、春休み、夏休みと結構自分の時間は多い。テーマを決めて、普段からそのテーマについて考え続けると、いろいろな発想が出てきて、面白くなる。そうなればしめたもので、どんどんレベルが高くなり、自信も出てくる。
われわれ教員もこのようなことで毎日研究を行っている。睡眠不足であろうが、お金がなかろうが、遊べなくても平気である。毎日充実した生活を送っている。一番大切なことは、これはというテーマを見つけることである。自分のライフワークとなるテーマを見つけることは、大切であるが、これは大変難しい。しかし、とりあえず学生時代によいテーマを見つけてほしい。学生への最高のプレゼントは質の高いテーマであると考えている。
人文学部は専門にとらわれずに、広い視野から物事を捉えようというものであるから、面白いテーマは沢山あるはずである。学生は生活範囲が狭く、殆ど何も経験していないので、テーマをみつけることは難しいかも知れない。私たち教員は、ポケットに沢山テーマを持っていて、折に触れて、学生にテーマを提示したいものである。
学生の身近に放送大学を置いたら、学生は折に触れて放送大学の授業を視聴し、学問的な刺激を受け、よいテーマを見つけるチャンスになるのではないかと考えて、図書館のコンピュータ20台を更新した機会に、放送大学も視聴できるようにした。コンピュータのディスプレーの上に”このアイコンをクリックすれば、放送大学が視聴できる”と書いてある。ぜひ試してほしい。そして、もしその授業が面白く、もっと知りたいと思ったら、われわれがゼミコーナーと呼んでいるところに放送大学の教科書を全部そろえてあるので、手にとって見てほしい(写真で示す)。
放送大学には300以上の科目がある。本学では放送大学と単位互換協定を結んでいるので、自由科目として、30単位まで認められている。積極的に利用してほしい。