学長室だより

地域循環型社会の重要性

遠くの山々の山頂付近を覆う大きな白い綿雲が、上昇気流によって入道雲に育ちはじめるころとなりました。今年は例年になく街中でカッコウが鳴いています。大学の周囲の水田では夜の帳が降りるころからカエルの合唱がにぎやかになります。

2020.6.12学長ブログ

キャンパス上に広がる空に浮かぶ綿雲

 

コロナウイルス禍で明らかになったことがあります。それはグローバリゼーションとローカリゼーションのバランス、都市圏と地方圏のバランスについてです。コロナウイルスが短い時間で世界中にまん延したのはグローバル化が進展したことによります。そのまん延を防ぐ手段として、都市封鎖や移動の禁止・自粛という政策によって、人間の命を守るためには、地域循環型社会を構築しておかなければならないことが明らかになりました。

地域循環型社会とは、食料の「地産地消」に代表されるように、エネルギーすなわち自然エネルギーにおいても、対人ケアすなわち医療・介護・福祉・教育においても、それぞれの地方に必要な人物は、地元の地域社会で育成するという社会を意味します。地域循環型社会を担う人物を育成する教育を地域循環型教育といいます。敬和学園大学は、キリスト教教育、国際理解教育、地域貢献教育の3つの教育の柱があります。12年前に中長期計画を立てた時以来、この地域循環型教育に力を入れてきました。今ようやくその花が開き始めてきました。(山田 耕太)